見出し画像

~県美をつくるひと~VOL.17

『県美をつくるひと』では、インタビューをもとに、県美に携わっている方の紹介、県美への想いを伝えていきます。
今回は、鳥取県地域社会振興部美術館専門員(併任 鳥取県立博物館 専門員)、外村 文さんにお話を伺いました。
※インタビューは2024年3月27日に行われました。

--------------------------------------------------------------------------------------

美術により親しんでもらうために

私は教育普及担当の専門員をしています。子どもから大人まで、さまざまな方に美術により親しんでもらうためのプログラムを提供する仕事です。担当している「コレクション宅配便」では、所蔵作品10点程度を持ち出して学校や公民館などで一日だけの展覧会を開催しています。その際はスタッフも出向き、いろいろなスタイルで鑑賞を行います。多くの場合は作品をじっくり見て、お互いに感じたことを伝え合いながら鑑賞するので、リラックスしながら対話できる環境づくりを心掛けています。

また、ワークショップにおいては組み立ての過程をとても大切にしていて、参加者のみなさんの発想が広がるような仕掛けづくりのためにどのような工夫ができるのかを考えています。学校と連携する際には、こちらから提案するだけでなく、「こんなことをやってみたい」という希望や、どんなねらいがあって子どもたちに何を身につけてほしいのか、先生方としっかり話し合いながら、一緒に活動を組み立てていきます。準備段階で試行錯誤を繰り返すことが、参加してくださる方の笑顔や楽しさ、ワクワクにつながると思っているので、時間を忘れて熱中されている姿を見ると嬉しい気持ちになります。

美術を通じて出会う、つながる

美術を通じて、いろんな人と出会えること、繋がれることが今の仕事の魅力だと思っています。これまでの県立博物館での教育普及事業において、長い年月をかけて丁寧に相手との関係をつくってきたこともあり、同じ団体から繰り返しワークショップなどのオファーをいただくことも多いです。

みんなでアイデアを練っているときの、何かがフッと生まれていくライブ感もおもしろいですね。例えば、自分の心が動かないことはきっと相手にも伝わらないと思っているので、「自分の気持ちや心が動くかどうか」を大事にしています。綺麗な景色を見るとか、美味しいものを食べるとか、本を読むとか、様々なものに触れて自分の感性を磨きながら、アイデアの引き出しを増やしていきたいと思っています。

「人生をちょっと豊かにできるような場」の選択肢のひとつとして

私の場合、ホッとしたいと思ったり、何かに煮詰まって自分の中に新しい風を入れたいと思ったり、日常と違う空間に身を置きたくなったとき、美術館に行きたくなります。心が整う感じがするのです。

そんな「人生をちょっと豊かにできるような場」のひとつとして、皆さんのなかに「美術館」という選択肢が増えると嬉しいです。
「次の休みはどこ行こう?」と悩んだときは、ぜひ美術館に遊びに来てみてください。お待ちしています。


--------------------------------------------------------------------------------------

美術館では、月に1度学芸スタッフによるイベントを開催中です!その名も「学芸員ショーケース」。開館前に鳥取県立美術館の学芸スタッフが、トークやワークショップ、そのほかの手段で自分の専門や経歴、興味や関心を伝えていきます。外村さんの登場は来年の2025年2月9日になりますが、月替わりで学芸スタッフに会える機会になりますので、下記URLより日程をご確認のうえ、ぜひご参加ください!
https://tottori-moa.jp/show-case/12251/

--------------------------------------------------------------------------------------

『県美をつくるひと』シリーズはまだまだ続きます。
これからも美術館に関わる方々の魅力を発信していきますので、乞うご期待!