館長エッセー 第3回 全能か、分担か
美術館とは何によってかたちづくられているのか。このように問われた時、私はいつも三つの要素を取り上げる。美術館の建築、コレクション、学芸員である。建築とコレクションは目に見えるからわかりやすい。しかし学芸員とは一体どこにいて何をしているのか、その顔が見えない。このような声に応えるべく、鳥取県立美術館では今月より月に一度、「学芸員ショーケース」という企画を開始した。新しい美術館で展示や収集、教育普及などを担当するスタッフが一人ずつ、あるいはチームで、自分がしてきた仕事や興味をもっ