~県美をつくるひと~VOL.16
『県美をつくるひと』では、インタビューをもとに、県美に携わっている方の紹介、県美への想いを伝えていきます。
今回は、鳥取県立美術館パートナーズ・運営担当サブマネージャー、石山 彩さんにお話を伺いました。
※インタビューは2024年8月9日時点のものです。
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東京から鳥取~いろいろな業務を経て調整役へ
私は美術館運営担当のサブマネージャーとして、広報、集客、カフェ・ショップといった集客促進、周辺との関係づくり、学芸部門の担当をしています。幅広く見えるんですが、それぞれに専門スタッフがいるので、私はそれらを取りまとめる調整役です。美術館で働くのは今回が初めてで、これまでは科学館で教育普及や展示、広報の担当をしてきました。いろいろな業務を渡り歩いているうちに、取りまとめる役割も担うようになってきた、というかんじです。
コロナ禍は東京にいたのですが、リモートで離れた人と会話できることに気づき、地方に住んでみようと思い始めました。働いていた施設が臨時休館を強いられるなかで、「本当にミュージアムが不要不急のことなのか」と考えるようになり、このあたりのことを仕事として突き詰めていきたい、と思ったのも、次のステップとして美術館に関わるようになったきっかけです。
正解のないものにみんなで取り組む日々
美術館をつくっていく今の仕事は誰も正解を知らないことをやっていっているので、ドキドキ、ワクワク、ハラハラがあっておもしろいですね。美術館をつくっていく過程には立場の違う登場人物が多いのですが、共通言語がまだない状況でもいろいろなことを決めていかなければいけないんです。いろんな視点があることはやっぱりいいことだと思うので、それを活かしていけたらいいですね。あとは、立場が違っても何か同じものを目指して動く、ということは大事で、ミッション・ステートメント(*1)がその役割を果たすんじゃないかなと思っています。
多様な価値観を確認できる場所であり、自分を再発見する場所
美術館は、多様な価値観を確認できるところだと思います。日々の中で人と人がぶつかりあうことがあると思うのですが、美術館だとそこに作品があるので、「人と人」ではなく、「作品と人と人」になって、より平和にその価値観の違いみたいなのを図れる気がします。かつ、作家たちの突拍子もない発想だったり、表現されたものっていうのを見る人が受け止めることで、こんなに自由でいいんだって思える。“館”だからこそ多様な価値観が守られていて、自由を感じられるっていうのが美術館のいいところかなと思います。
今は情報まみれで、自分の身体が生きてる感覚を忘れてしまう事もあるけれど、そんな中で作品を通して自分を再発見するっていうのも好きですね。自分がおもしろいから世界はおもしろいぞっていう感じになる。おもしろいぞっていうか、悪くないぞっていうぐらいですけど。鳥取県立美術館を訪れた人にも、何かしら前よりちょっと良くなった、みたいに感じてもらえたらいですね。
無料ゾーンもいっぱいあるので、県民の方にはぜひ美術館を日常使いしてもらいたいです。鳥取はいいところなので、県外からもぜひいらしてください。ちょっと多めに宿泊していただいて、暮らすような数日間を過ごしていただけたら。星もきれいなので、美術館が開館したら芝生のところで見るのもいいですね。
これから何十万人という方にお会いできるのを楽しみにしています。
*1 鳥取県立美術館が掲げるミッション・ステートメントは下記リンクをご参照ください
https://tottori-moa.jp/about/
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『県美をつくるひと』シリーズでは、今後も美術館に関わる方々の魅力を発信していきます!