~県美をつくるひと~VOL.10
“とりらぼ”のインタビュー企画『県美をつくるひと』では、県美に携わる方々にご登場いただき、県美への想いを語っていただきます。
第10回目~12回目のインタビューでは、先日倉吉未来中心で行われた「NHKのど自慢大会」の参加メンバーにクローズアップしていきます。
今回は、鳥取県立美術館パートナーズで建設工事を担当する地元企業、懸樋工務店より、久野 真吾さんにお話を伺いました。
(※インタビューの内容は2023年12月5日時点のものです)
Q.美術館に関わるお仕事で担当されている業務はなんですか?
A.工事の前半は躯体工事に携わっており、型枠の中にある鉄筋にコンクリートを流し込む「打設」という工程を担当していました。
躯体工事が終わってからは建具の担当になり、ドアの取り付け工程を管理していました。
現在は塗装の工程管理を担当しているので、いよいよ終盤といったところです。
Q.お仕事中に心がけていること、意識されていることは?
A. 安全第一で、職人さんがケガをしないような環境を整えることを意識しています。
僕は足場も担当していましたが、墜落防止など法律でいろいろ決まっているので、基準がちゃんとクリアできているかを確認し、実際に通ってみて危ないところがないかテストしていました。法律的に大丈夫なのは当たり前なんですけど、より安全を遵守するために、建てている足場はひととおり歩いています。
足場は解体のときに一番事故が起きやすいので、組んだ手順と全く逆の手順で解体しないといけないんです。順番を抜かすと一気に危なくなるので、手順を間違えないよう事前に打ち合わせを行い、内容を確認しています。
Q.ズバリ!今のお仕事の魅力とは?
A.実際に僕らが手を動かすわけではないので、どうすれば円滑に進んでいくのか、嫌な気持ちなく指示通りに動いてもらうにはどうすればいいのかを常に考えていて、それが思うように進むと大きな達成感があります。特に、今回の現場は規模が大きかったので、優先順位をつけるのがすごく難しくて、早すぎず遅すぎず次の工程に進めたときは本当に嬉しかったです。
Q.職場で印象に残ったことをおしえてください!
A. RC造、S造、SRC造のハイブリット構造は初めてだったので、どういう順番でつくられていくのか勉強できたことです。設計図は完成形しか載っていないので、鉄骨とコンクリートの接合部分など、最初はまったく想像できていませんでしたが、間の図面を書いていくのも施工管理の仕事なので、やっていくうちになんとなくわかるようになりました。組立図や順序図みたいなものは施工図班が書いていますが、足場など細かい部分の図面は僕が描くこともあります。
Q.のど自慢大会の思い出をおしえてください
A.建設現場の所長から声をかけてもらい、出場が決まったときは驚きましたが、やってみたらおもしろかったです。みんなで曲決めの会議をして、合間を縫って練習して、100%の力を出しきりました。本選に出場できず悔しかったので、機会があればリベンジしたいですね。
Q.美術館の完成を待ち望んでいる皆さんに、メッセージをお願いします!
A. いよいよ竣工するので「おまたせしました!」という気持ちです。開館後は美術作品を見に来られる方が多いと思いますが、それだけでなく、地域の人の憩いの場になってほしいと思っています。
僕のおすすめは県民ギャラリーです。見えない部分になりますが、北側の壁から南の壁までの間には柱が無く、梁一本で通っているんです。立地的に日当たりが良いので暖かく、すぐそばにあるエントランスの吹き抜けやカフェスペースも快適で過ごしやすいですよ。
インタビューを終えて
「厳かな場所だからといって身構えず、公民館に寄るぐらい気軽に遊びに来てほしい」とおっしゃる久野さん。これまでに、鳥取県内の高校や道の駅、自衛隊駐屯地の工事にも携わっていたそうです。
美術館の存在をより気軽に、身近に感じていただけるよう、鳥取県立美術館では、県民のみなさんにご利用いただける「県民ギャラリー」「ホール」「スタジオ」等の貸室をご用意しています。創作活動を発表する場として、ぜひご活用ください。
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『県美をつくるひと』シリーズはまだまだ続きます。
これからも美術館に関わる方々の魅力を発信していきますので、乞うご期待!