【建設現場リポート】 “いいとこどり”のハイブリッドですくすく大きくなっています(2022.10)
夏の暑さをやりすごしたと思ったら、急に朝晩冷え込むようになり、あっというまに季節が移り変わっております。建設現場を久々に訪れると、仮囲いの高さを超えて足場や鉄筋の姿が見えるようになっていました。ちょっと見ない間にこんなに大きくなって…!
場内に入ると当然ながら1階の床が出来上がっており、歩けるようになっていました。
▼東側エントランス部分
手前にちょっとした段差 があるのがわかるでしょうか。一般の建物と異なり、美術館や博物館、図書館では「IPM(Integrated Pest Management)※」の導入が必要です。貴重な収蔵品を傷める害虫を館内に入れないように、外部に通じるところにはこういった段差や溝、風除室等が設けられます。
※IPM(総合的病害虫管理)は、薬剤だけに頼らず施設の構成や設備、維持管理等により生物被害を防除する手法
▼柱がなく広々としている「県民ギャラリー」
柱と壁が同じ厚さで設計されていることで、部屋内の柱の凸形状が無くなり広い空間を構築しています。
▼リフトを使って作業する鉄筋工のみなさん
適当に組んでいるわけではなく、長さ、太さ、曲げ形状などの違うさまざまな鉄筋をパズルのように正しく組み合わせていきます。とても複雑で現場で考えている時間はないので、事前の計画がとっても大事。
▼片隅に積まれていた、気になるデッキスラブ (床の材料)(右)
工場で組み立てたものを現場に持ち込むことで、作業効率がアップし、工事のスピードもぐんと上がります。
▼2階の床部分
このあと型枠を組んだ後にコンクリートが流し込まれます。
▼収蔵庫の壁部分を上から見たところ。
収蔵庫の壁の間に立つなんて、完成後にはありえないことです。ぞわぞわします。
▼こちらは1階の「キッズスペース」のあたり。見上げると、鉄骨の梁が並んでいます。
写真右手の足場のあるところまでは鉄筋コンクリート造です。鉄筋コンクリート造は圧力に強く、鉄骨造はしなやかで開放的な空間が実現できる。場所によって使い分けることで両方の“いいとこどり”ができるそうです!
▼鉄筋と鉄骨が出会うところ(上から)
▼足場をあがると、職人さんがハーネス(安全帯)をつけ、ボルトを締めているところでした。
ひとつひとつ、マーカーでしるしをつけ、専用の工具を使って手作業で締めていきます。ボルトを締めるからにはあらかじめ穴が開けてあるわけですが、現場に運んできて、この高い場所に吊り上げてあちらとこちらでボルト穴がぴったり合う精度すごくないですか。すごいです。
鉄骨上部に張られている黄色いロープも、職人の皆さんがハーネス(安全帯)をつけ歩いて移動するときのためのものだそうです。ぞわぞわします。
▼多種多様な作業を受け持つ職人さんは総勢約80名!
▼安全のため、指差呼称を徹底します。見て、指を差し、声に出して確認。
ヨシッ
今回はあまり触れませんでしたが、重機もせっせと働いていました。
▼休日横になっていたクレーン。こんな姿もレアですね。
建設現場リポート、次回もお楽しみに!
鳥取県立美術館プレサイト